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川魚のあれこれ雑記
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昨日に続き、カオスってる日淡の話ですが、こちらの方が大きく問題です。

スイゲンゼニタナゴと言えば、岡山を代表する日淡の希少種の1つなのですが、実は現在の分類ではこのスイゲンゼニタナゴは国内にはいないことになっているんです。

どういうことかといいますと、九州に生息するカゼトゲタナゴ、昔からスイゲンゼニタナゴと非常に似ているが別種として扱われていた種ですが、実はこの両種は最近の遺伝子研究によりほとんど差異がなく、亜種未満であることが分かったようです。その結果、日本産魚類検索第三版では両種は同種であるとされ、カゼトゲタナゴ(北九州個体群・山陽個体群)にまとめられてしまいました。

ところが、“スイゲンゼニタナゴ”という標準和名は無くなったわけではなく、朝鮮半島および中国産の個体群を“スイゲンゼニタナゴ”としたわけです。

さて、ここからが大いに問題なのですが、スイゲンゼニタナゴと言えばいわゆる『種の保存法』に指定されている種です。しかし、今までスイゲンゼニタナゴと呼ばれていた魚は国内にはもう存在せず、変わりに全てが『種の保存法』で指定されていないカゼトゲタナゴになったわけです。

現行の法律解釈からすれば、今まで“スイゲンゼニタナゴ”と呼ばれていたカゼトゲタナゴ(山陽個体群)は指定対象から外れ、採集してもいいということになったわけです。たくさんのお金をかけて保護してきた人は涙目ですね。

法律が現状に追いつくには数年はかかると思われ、今後どうなるかは見守らなければいけません。予想される結果は『種の保存法』に指定される魚がスイゲンではなくカゼトゲタナゴに置き換わるという事でしょう。

とりあえず、当方ではカゼトゲタナゴ山陽個体群の取扱いはしませんが、今後の動向には注目していきます。
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