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川魚のあれこれ雑記
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販売名:ギンブナ

標準和名:ギンブナ

学名:Carassius auratus langsdorfii

最大体長:通常25cmだが50cmを超える個体も稀にいる

成熟:1年 寿命:約20年

 特徴:日本産淡水魚ではコイと並んでもっとも身近な種であるが、その生態は極めて特殊である。ギンブナは基本的にメスしかおらず、無性生殖の一種である雌性発生を行い、他種(オオキンブナ等)のオスの精子に反応し、卵子単体で発生する。当然、生まれてくる子供は全て親のクローンである。因みに、数少ないオスの精子を用いて交配させても、メス親のクローンが生まれるらしい。 また、他のフナ類に比べ染色体数が多く、一般的には有性生殖を行うフナ(染色体数:100)の1.5倍の150ある(3倍体)。但し、地域によってはオスを発生する2倍体や、誤って精子の染色体を取り入れた4倍体が存在する。
鰓耙数:41~57 背鰭軟条数:15~18 。

 生態:水質汚染や酸欠には強い方で、他の魚が住めない様な環境にも生息していることがある。食性は雑食性で動物プランクトンや付着藻類等を食べる。

性格:性格は温和で、コイのように他魚を追い回すことも少ない。また、オオキンブナのように他魚の鱗を食べたりもあまりしない。

繁殖期:4~6月。

飼育設備:通常の最大サイズを考えれば、60cm規格水槽でも十分である(少量飼いの場合)。

飼育のポイント:体表の擦れ等には弱いほう。それ以外はあまり難しくない。

餌:雑食性で何でも食べる。 飼育温度:特に気にする必要はないが、繁殖をする場合はコントロールする。

健康管理:汚泥や酸欠に強いとは言え、水換えは適度に行う。季節の変わり目は要注意。

その他:フナ類は同定が極めて難しく、当方では一定の基準を設けています。体形及び背鰭軟条数(ギンブナ:17本以上)を基本に、触感(ゲンゴロウ・ギンブナ・オオキンブナで若干の違いがある)や頭骨の形状なども比較します。ただ、これらでも完璧ではないため、他のフナが混入してしまう可能性があります。

食味:滋賀県では本種ではないが、“ニゴロブナ”を使った“なれずし”が有名。どこかのサイトで書かれていたが、なれずしに本種を使わないのは見栄えの問題らしい。味は本種の方がいいとのこと。
 川魚は“顎口虫”等、寄生虫を持っている可能性が高いので生食は避けるべきだが、京都ではスーパーで魚卵をまぶしたフナの刺身が普通に売られていて驚いた。(普通においしかった)
 岡山にはマイナーなご当地料理で、“鮒飯”というものがある。鮒を骨ごとミンチにし、ごぼうなど根菜類と混ぜて作る炊き込みご飯だ。極稀にスーパーでレシピが置いてあったりもするが、地元民でもその料理の存在すら知らない人が圧倒的に多い。そのため、『けんみんSHOW』で紹介されることはまずないだろう。今もあるかどうかは分からないが、表町商店街の裏通りにある古い定食屋さんで提供されていた。味はあまり覚えていないが、少しくせのある炊き込みご飯だったように思われる。
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販売名:マゴイ
 
標準和名:コイ
 
学名:Cyprinus carpio
 
最大体長:1m超
 
成熟:雄2年・雌3年
 
寿命:40~50年(100年以上生きたものもいたとか)
 
特徴:人間との関わりも深く、もっともポピュラーな淡水魚。分類学上は一属一種だが、食用・観賞用の品種改良が進んでおり、様々な品種がある。本来、“マゴイ”とは、野生のコイを飼育用に養殖した個体を指し、いわゆる野生のコイを“ノゴイ”と呼ぶ。外見上、“マゴイ”は体色が黒褐色で体高が高く、”ノゴイ”は体高が低く、体副が厚い。ただし、交雑が進み、見分けるのは非常に難しいので、当方では“マゴイ”で統一しています。
 硬骨魚類では最も長寿で、100年以上生きたと言う記録もあるほど長生き。また、巨大化し、釣った個体の日本最大公式記録は119cm、確認個体での最大記録は153cm・45kg(どうでもいいですがうちの妹と同じ)もあるそうです(2012年現在)。
 口に歯は無いが咽頭歯(コイ科の多くに見られる)があり、形状は人間の歯に酷似している。その咀嚼力は強烈で、大型個体は10円玉を折り曲げるほどの力がある。
 
生態:飼育型は全国で確認されるが、野生型の分布域は関東平野・琵琶湖淀川水系・岡山平野・高知県四万十川など、限られている。河川の中~下流域に主に生息し、汚泥や酸欠に非常に強い。
 
性格:肉食魚の様に攻撃的であったり、というのは無いが、食欲が旺盛で、小魚はしばしば飲み込まれる。
 
繁殖期:4~7月。1シーズンに2~3回産卵し、1回に20~60万個もの卵を水草に産み付ける。産卵数は日本産コイ科魚類中最も多い。
 
飼育設備:飼育容器のサイズに合わせて成長が調節される面もあるが、将来的には最低でも90cm水槽以上の環境で飼育することになる。
 
飼育のポイント:小さい個体であれば水草レイアウトも可能だが、大きくなると水草を食べつくしたり薙ぎ倒したりするので、不向き。また、体表を傷つけやすい荒い岩や尖った流木は置かないほうが良い。
 
餌:雑食性で何でも食べる。
 
飼育温度:特に気にする必要はないが、繁殖をする場合はコントロールする。
 
健康管理:汚泥や酸欠に強いとは言え、水換えは適度に行う。季節の変わり目は要注意。
 
その他:見栄えがいいため、全国の自治体等で放流事業が行われているが、水生生物や水草を食いつくし、深刻な生態系破壊をもたらすこともある。そのため観賞個体は必ず終生飼育するか、食べてください。
 
食味:山間部を中心に貴重な蛋白源として重宝されており、洗い、甘露煮、鯉こく、丸揚げなどで賞味する。脂分が多いので、無駄な脂をしっかり落とせば美味。また、大型個体の鱗は、素揚げして塩をまぶせば、チップスのように食べられる(らしい)。

当方取り扱い改良品種
・カガミゴイ

・カワゴイ
09-5kawagoi.jpg
・錦鯉

・黄松葉黄金(ワイルド)

・変わりマゴイ

販売名:カネヒラ
 
地方名:カメンタ・カメンドブナ・ムシブナ・ボテ・ボテジャコ・オクマボテ(婚姻色個体)
 
学名:Acheilognathus rhombeus
 
最大体長:16cm程度
 
成熟:2年
 
寿命:3~4年
 
特徴:国内のタナゴ類では最大種。秋産卵型。体高が高く、婚姻色も非常に美しい。本州産と比較すると九州産の個体群は体高が比較的高い。また、中国の一部の大陸産個体群は体高が低いものがいる。
 
生態:自然分布域は濃尾平野以西の本州・九州北部。朝鮮半島および中国の一部にも生息しているが、詳細は不明。河川下流域や湖沼に生息。
 
性格:縄張りをもったオスはかなり攻撃的。体が大きい分破壊力も大きいが、タビラ類などよりはテリトリーが狭く、水槽に貝を入れなければ問題無く混泳可能。
 
繁殖期:6~11月。イシガイなどの小型の貝を好むとあったり、比較的大型のカタハガイを好むとあったりと文献により異なるが、当方が確認している事実としては15cmを超えるドブガイにも産卵する岡山県産唯一の種であるということ。仔魚は貝の中で越冬し、翌年5~6月頃浮出する。
 
主な産卵床:イシガイ・カタハガイなど
 
飼育設備:大型化するため、最低でも60cm水槽が必要。
 
飼育のポイント:水草レイアウトの場合、柔らかい水草は食べてしまうため、葉の硬いもの選ぶ。繁殖をしない場合は無闇に二枚貝を入れない方が良い。
 
餌:植物食にかなり偏っているが、赤虫なども食べる。人工飼料にもよく慣れる。付着藻類や水草の新芽などを好んで食べる。
 
飼育温度:特に気にする必要はないが、繁殖をする場合はコントロールする。
 
健康管理:白点病や穴あき病予防のため、水換えは適度に行う。季節の変わり目は要注意。冬季採集個体は黒ソブが出ている個体が多い。
 
その他:生態系破壊を及ぼすため、飼育個体は終生飼育すること。
 
食味:食べたことは無いが、大きいのですずめ焼きなどが合いそう。

販売名:シロヒレタビラ
 
地方名:カメンタ・カメンドブナ・ボテ・ボテジャコ
 
学名:Acheilognathus tabira
 
最大体長:10cm程度
 
成熟:2年
 
寿命:3~4年
 
特徴:タビラ類の特徴で方の部分に青色班が入る。婚姻色が大変美しい。琵琶湖・淀川水系産の個体群は非繁殖期は尻鰭が赤くなり、まるで別種の様に見える。岡山県産の個体もその特徴を持つものがおり、中には1年中尻鰭が赤い個体もいる。ただ、成長とともに通常のシロヒレタビラに戻る。水底付近を遊泳していることが多い。
 
生態:自然分布域は濃尾平野から中国地方東部。大型湖沼や大河川の中・下流域に生息。
 
性格:成熟期のオスはかなり気性が荒い。
 
繁殖期:4~6月。イシガイやマツカサガイなどの小さめの貝に産卵する。仔魚は約1ヶ月で浮出。
 
主な産卵床:ドブガイ・マツカサガイ・タガイ・カタハガイなど
 
飼育設備:性格が荒いため、最低でも60cm水槽が必要。混泳は少々難しい。
 
飼育のポイント:飼育密度を低めにし、水草などで他の魚が隠れる場所を作る。繁殖をしない場合は無闇に二枚貝を入れない方が良い。
 
餌:植物食よりの雑食性で、人工飼料にもよく慣れる。付着藻類を良く食べる。
 
飼育温度:特に気にする必要はないが、繁殖をする場合はコントロールする。
 
健康管理:白点病や穴あき病予防のため、水換えは適度に行う。季節の変わり目は要注意。
 
その他:生態系破壊を及ぼすため、飼育個体は終生飼育すること。環境省レッドリスト絶滅危惧ⅠB類
 
食味:食べたことは無いが、食べてもおいしくないらしい。古くから観賞して楽しまれており、1712年(聖徳2年)の『和漢三才図解』に「タビラコ(タナゴ類の総称)は木の葉、櫛の形に似ている。美しいが食べてまずい。新しい池や堀を作ると春、夏の雨後に陽気を感じて自然発生する」と記されている。

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販売名:アブラボテ(写真は琵琶湖産)
 
地方名:アブラタナゴ・アブラセンバ・ドクブナ・チンチョロ・チョウセンブナ・ボテ・ボテジャコ
 
学名:Tanakia limbata
 
最大体長:8cm程度
 
成熟:1年
 
寿命:約2年(飼育下4年)
 
特徴:日本固有種。繁殖期がタナゴ類では最も長い。また、最も河川の上流まで進出が可能。体色は地域差が大きく、岡山県産は黒紫色になる。ヤリタナゴとしばしば雑種を作る。
パッと見は地味だが、背鰭の縁が背と平行な曲線を描く独特な体形をしており、よく観察すると綺麗な魚である。
因みに“アブラボテ”の“ボテ”とは、最近はあまり使わないが、「ボテっ腹」の“ボテ”のこと。
 
生態:自然分布域は濃尾平野以西の本州・四国の瀬戸内側・九州であるが、近年秋田県にも定着している。水草が茂り、緩やかな流れのある小川に生息する。流れのない湖沼にはいない。
 
性格:気性が比較的荒く、繁殖期のオスは他の魚をよく攻撃する。
 
繁殖期:3~9月。ドブガイやマツカサガイに産卵する。仔魚は約20日~1ヶ月で浮出。
 
主な産卵床:マツカサガイ・ドブガイなど
 
飼育設備:性格が荒いため、最低でも60cm水槽が必要。混泳は少々難しい。
 
飼育のポイント:比較的酸欠に弱いため、エアレーションは気持ち多目。また、緩い流れを作ってやると良い。繁殖にトライしない場合は無闇に二枚貝を入れない方が良い。
 
餌:動物食よりの雑食性で、人工飼料にもよく慣れる。
 
飼育温度:特に気にする必要はないが、繁殖をする場合はコントロールする。
 
健康管理:白点病や穴あき病予防のため、水換えは適度に行う。季節の変わり目は要注意。
 
その他:生態系破壊を及ぼすため、飼育個体は終生飼育すること。環境省レッドリスト準絶滅危惧種
 
食味:食べたことは無いが、渋みがあり、食べてもおいしくない。そのため、岡山県北部ではドクブナやクソタナゴなどとありがたくない名で呼ばれる。
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