川魚のあれこれ雑記
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随分とブログ更新してませんでしたが、久しぶりに書いてみます。
ここ最近、ヨシノボリの分類の研究をしております。もともと親父殿は大型化した個体を“オオヨシノボリ”その他の個体を“カワヨシノボリ”として販売していたようですが、小売を始めて、ヨシノボリ類を個別に問合せいただく機会が増えてきたので、個別販売しようと今月からの価格改正に合わせ検討していた次第です。
で、とりあえず在庫表では分けてみたものの…まぁ難しいことこの上ない!!未選別状態だった在庫の約100匹のヨシノボリを見比べてみましたが、ネットや図鑑に掲載されているような各種類の特徴を元に選別するも、まる1日費やしても選別できず。はぁ、これは骨が折れる。そもそも、この仕事に戻るまでヨシノボリがこんなに細かく種類が分かれているとは知りもしませんでした。知っていたのは、ゴクラクハゼも含めると、ゴクラクハゼ・カワヨシノボリ・トウヨシノボリ・オオヨシノボリの4種だけでした。
とりあえず、まずはゴクラクハゼを除く、名前に”ヨシノボリ”がついた各種の主な特徴をまとめて見ます。
●カワヨシノボリ・・・頬:小斑点あり
胸鰭:基部に淡色部があり、それを縁取るように濃色部がある。鰭条数が少ない。
背鰭:第一背鰭が著しく伸長・婚姻色は橙色から朱色。鰭の端は白や薄い黄色
尾鰭:縦縞模様・婚姻色は朱色(縦縞消失)・基部に橙班が入ることもある
その他:脊椎数が他種より多い
●シマヨシノボリ・・・頬:ミミズ模様
胸鰭:カワヨシに類似 黒班がある個体もいる。
背鰭:第一背鰭が伸長・第二背鰭に縞模様あり・色は朱色・淵は白から黄色
尾鰭:基部にカイザル髭条の班
その他:雌雄ともに腹部が青 特に繁殖期の雌は青色が鮮やか
●オオヨシノボリ・・・頬:無班か極少ない
胸鰭:基部に黒班あり
背鰭:第一背鰭が伸長・淵は白
尾鰭:基部に上下端に届く黒班あり(ただし、不鮮明な個体もいる)・尾鰭中央は白(透明)ないし尾鰭の大半を占める暗色
その他:婚姻色時のオスは体全体が黒くなる。雌の腹部は白
●クロヨシノボリ・・・頬:小班点あり
胸鰭:基部に三日月状の斑紋あり(黒班無し)
背鰭:第一背鰭が伸長・端は黄色
尾鰭:基部にハの字状の班あり(不鮮明な個体多)
その他:婚姻色時の雄は体全体が黒くなり、鰭の端の黄色とのコントラストが印象的・雌の腹部は黄色
●ルリヨシノボリ・・・頬:ルリ色班あり
その他:川の上流の流れが速いところに生息
●トウヨシノボリ・・・頬:小斑点が無いのが基本(ただし、ある個体もいる)
胸鰭:基部に三日月状班あり(黒班がある個体もいる)・無班の個体もいる
背鰭:第一背鰭が伸長
尾鰭:中央部に橙色班あり
その他:雌の腹部が青・地域個体差が著しく激しい
●シマヒレヨシノボリ・・・頬:小斑点はあったり無かったり
胸鰭:三日月状班があったりなかったり
背鰭:第一背鰭が伸びない・第二背鰭に縞模様
尾鰭:縦縞模様あり・鰭の下部に朱色班あり
その他:去年新しくトウヨシノボリから独立・岡山は多い・雌の腹部は白
上記特徴を元に選別を試みてみましたが、難しいことこの上ない。で、いろいろと頭を悩ませた結果、当方での選別基準を設けました。
●カワヨシノボリ・・・ぱっと見馬面で胴長スレンダーな体型・顔に小斑点(無い個体もいる)・胸鰭に”赤茶・白・赤茶”の縦縞班・第一背鰭が著しく伸長
●シマヨシノボリ・・・頬にミミズ状模様・腹部青
●ルリヨシノボリ・・・頬にルリ色班
●オオヨシノボリ・・・頬は無班・胸鰭に黒班・尾鰭に橙色班が無い(薄い)
●クロヨシノボリ・・・頬に小斑点・胸鰭に三日月状班(黒班無し)・尾鰭基部にハの字班(不鮮明な個体多)
●トウヨシノボリ/シマヒレヨシノボリ・・・その他
という感じに簡略化してみました。この選別方法の問題点は、カワヨシノボリの雌が良く分からない(雌は顔が丸い)ことと、微妙な個体はすべてトウヨシノボリになってしまう点ですね。
次回の更新で、樹形図的に書いてみます。
ここ最近、ヨシノボリの分類の研究をしております。もともと親父殿は大型化した個体を“オオヨシノボリ”その他の個体を“カワヨシノボリ”として販売していたようですが、小売を始めて、ヨシノボリ類を個別に問合せいただく機会が増えてきたので、個別販売しようと今月からの価格改正に合わせ検討していた次第です。
で、とりあえず在庫表では分けてみたものの…まぁ難しいことこの上ない!!未選別状態だった在庫の約100匹のヨシノボリを見比べてみましたが、ネットや図鑑に掲載されているような各種類の特徴を元に選別するも、まる1日費やしても選別できず。はぁ、これは骨が折れる。そもそも、この仕事に戻るまでヨシノボリがこんなに細かく種類が分かれているとは知りもしませんでした。知っていたのは、ゴクラクハゼも含めると、ゴクラクハゼ・カワヨシノボリ・トウヨシノボリ・オオヨシノボリの4種だけでした。
とりあえず、まずはゴクラクハゼを除く、名前に”ヨシノボリ”がついた各種の主な特徴をまとめて見ます。
●カワヨシノボリ・・・頬:小斑点あり
胸鰭:基部に淡色部があり、それを縁取るように濃色部がある。鰭条数が少ない。
背鰭:第一背鰭が著しく伸長・婚姻色は橙色から朱色。鰭の端は白や薄い黄色
尾鰭:縦縞模様・婚姻色は朱色(縦縞消失)・基部に橙班が入ることもある
その他:脊椎数が他種より多い
●シマヨシノボリ・・・頬:ミミズ模様
胸鰭:カワヨシに類似 黒班がある個体もいる。
背鰭:第一背鰭が伸長・第二背鰭に縞模様あり・色は朱色・淵は白から黄色
尾鰭:基部にカイザル髭条の班
その他:雌雄ともに腹部が青 特に繁殖期の雌は青色が鮮やか
●オオヨシノボリ・・・頬:無班か極少ない
胸鰭:基部に黒班あり
背鰭:第一背鰭が伸長・淵は白
尾鰭:基部に上下端に届く黒班あり(ただし、不鮮明な個体もいる)・尾鰭中央は白(透明)ないし尾鰭の大半を占める暗色
その他:婚姻色時のオスは体全体が黒くなる。雌の腹部は白
●クロヨシノボリ・・・頬:小班点あり
胸鰭:基部に三日月状の斑紋あり(黒班無し)
背鰭:第一背鰭が伸長・端は黄色
尾鰭:基部にハの字状の班あり(不鮮明な個体多)
その他:婚姻色時の雄は体全体が黒くなり、鰭の端の黄色とのコントラストが印象的・雌の腹部は黄色
●ルリヨシノボリ・・・頬:ルリ色班あり
その他:川の上流の流れが速いところに生息
●トウヨシノボリ・・・頬:小斑点が無いのが基本(ただし、ある個体もいる)
胸鰭:基部に三日月状班あり(黒班がある個体もいる)・無班の個体もいる
背鰭:第一背鰭が伸長
尾鰭:中央部に橙色班あり
その他:雌の腹部が青・地域個体差が著しく激しい
●シマヒレヨシノボリ・・・頬:小斑点はあったり無かったり
胸鰭:三日月状班があったりなかったり
背鰭:第一背鰭が伸びない・第二背鰭に縞模様
尾鰭:縦縞模様あり・鰭の下部に朱色班あり
その他:去年新しくトウヨシノボリから独立・岡山は多い・雌の腹部は白
上記特徴を元に選別を試みてみましたが、難しいことこの上ない。で、いろいろと頭を悩ませた結果、当方での選別基準を設けました。
●カワヨシノボリ・・・ぱっと見馬面で胴長スレンダーな体型・顔に小斑点(無い個体もいる)・胸鰭に”赤茶・白・赤茶”の縦縞班・第一背鰭が著しく伸長
●シマヨシノボリ・・・頬にミミズ状模様・腹部青
●ルリヨシノボリ・・・頬にルリ色班
●オオヨシノボリ・・・頬は無班・胸鰭に黒班・尾鰭に橙色班が無い(薄い)
●クロヨシノボリ・・・頬に小斑点・胸鰭に三日月状班(黒班無し)・尾鰭基部にハの字班(不鮮明な個体多)
●トウヨシノボリ/シマヒレヨシノボリ・・・その他
という感じに簡略化してみました。この選別方法の問題点は、カワヨシノボリの雌が良く分からない(雌は顔が丸い)ことと、微妙な個体はすべてトウヨシノボリになってしまう点ですね。
次回の更新で、樹形図的に書いてみます。
オオヨシノボリがなかなか見分けがつかないと苦悩しておりましたが、先日のサンプルや新たに採集した個体を観察してみて、どうも“シマヒレヨシノボリ”とした個体の中に混じっているようです。
シマヒレの特徴を再度おさらいすると、第一背鰭が伸長しない、尾鰭下部に朱色班という2点。対し、オオヨシは胸鰭の黒色班と尾鰭基部の黒バンド。ただ、このオオヨシの特徴はトウヨシやシマヒレにも頻繁に見られるため、当てにならない。そこで、学者が言う生息地の特徴で考察すると、シマヒレは下流部の流れのあまり無いところに生息し、オオヨシは中~上流部の流れのある場所を好むということで、新たに採集した個体は後者の産地になるのでオオヨシである可能性が高いのでは?と、思い始めたのです。
もちろん、学者の理論は少数の例外を無視した上で成り立っているので、「全部がそう」と当然言い切れるものではないのですが、しばらく観察するうちにシマヒレとオオヨシを区別する基準は“尾鰭下部の朱色班の有無”のみにという結論に達しました。
というわけで、簡易分類の方に後日写真付きで記載します。
シマヒレの特徴を再度おさらいすると、第一背鰭が伸長しない、尾鰭下部に朱色班という2点。対し、オオヨシは胸鰭の黒色班と尾鰭基部の黒バンド。ただ、このオオヨシの特徴はトウヨシやシマヒレにも頻繁に見られるため、当てにならない。そこで、学者が言う生息地の特徴で考察すると、シマヒレは下流部の流れのあまり無いところに生息し、オオヨシは中~上流部の流れのある場所を好むということで、新たに採集した個体は後者の産地になるのでオオヨシである可能性が高いのでは?と、思い始めたのです。
もちろん、学者の理論は少数の例外を無視した上で成り立っているので、「全部がそう」と当然言い切れるものではないのですが、しばらく観察するうちにシマヒレとオオヨシを区別する基準は“尾鰭下部の朱色班の有無”のみにという結論に達しました。
というわけで、簡易分類の方に後日写真付きで記載します。
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日本淡水魚販売
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岡山で観賞用川魚を採取販売しております。
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