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川魚のあれこれ雑記
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まず始めに断っておかないといけないのが、この分類方法はあくまでも簡易的な分類のため、100%当たっている訳ではありません。分類するために時間をかけたり、基本的には生息環境を考慮に入れておらず、当方が時間をかけずに仕分けをするために編み出した簡易分類方法です。また、この方法による仕分けは岡山県産の個体を基にしております。したがって、他地域の個体がこの通りに当てはまってくれるかは分かりません。それと、基本的に雄のみを基準としております。雌は抱卵中の個体以外は分かりにくい種が多いので、雌雄判別も不明瞭であることを予めご了承ください。

さてさて、本題ですが、その前に、今回サンプルとして使った採集地不明の約100匹の仕分けの結果、シマヨシノボリ×1匹・クロヨシノボリ×1匹・カワヨシノボリ×20匹・トウヨシノボリ/シマヒレヨシノボリ×残りという結果になりました。オオヨシノボリとルリヨシノボリはいませんでした。

その1・・・体型を見る
まず始めに、10匹くらいを小さいプラケースに移し、全体の感じを眺めます。(その状態の写真を撮り忘れたので、後日追記します)で、その中で、まず1番目立つのが、第一背鰭が異様に長い個体。そして馬面でほっそりとスレンダーな個体を見つけます。それがほぼ間違いなくカワヨシノボリです。
s-IMGP2420.jpgs-IMGP2385.jpgs-IMGP2364.jpg

一番左の写真がカワヨシ、真ん中が同サイズのシマヒレ(?)です。ぱっと見で左の方がほっそりしてますよね?一番右の写真はカワヨシの若魚。第一背鰭が長いのですが、色が薄いし、畳んでいると分かりづらい。でも体型を見てみるとスレンダーです。この違いの根拠となるのが、自分が調べた図鑑やホームページの内、保育社の『川と湖の魚②』に唯一記載されていた、他種との脊椎骨数の違いからによるものだと思われます。他種が26に対し、カワヨシは28あるそうです。カワヨシを“判別するのが最も簡単な種”とよく表記されておりますが、その根拠が胸鰭の鰭条数が少ないということ。ただ、俺から言わせると“そんなもんいちいち数えられるか!!”というのが先に来るので、今回の調査を裏付けさせる程度に使った方法です。ただし、この方法だと雌はいまいち分かりません。顔が丸いので分かりづらいです。

その2・・・顔と胸鰭を見る
s-IMGP2405.jpgs-IMGP2389.jpgs-IMGP2398.jpgs-IMGP2371.jpg

まず、一番左の写真ですが、これはカワヨシの顔です。その1の段階で仕分けられてるので無視してもいいのですが、一応調べたので記載します。基本的にカワヨシの顔には小斑点があるのが普通。でもこの写真の個体には見られない感じがします。で、確認のため胸鰭鰭条数を調べたのですが、s-IMGP2409.jpg15くらいと少ないのでカワヨシです。カワヨシはまだ特徴があり、雄の胸鰭基部には赤茶・白・赤茶の明瞭な模様があります。メスの場合は黒・白(さらに黒)が入る個体で見分けます。

次に2番目の写真。これは一目瞭然で分かりますが、シマヨシノボリです。見事なミミズ模様が入ってます。

3番目の写真。これは一応クロヨシノボリとした個体です。この辺から難しくなるのですが、まず、クロヨシは頬に小斑点があります。ついで、胸鰭基部は三日月班だけがあり、黒班が入っていない個体のみを「クロヨシではないか?」と疑います。

最後の4つ目の写真。頬に小斑点は無く、胸鰭基部に明瞭な黒班が入っているので、「オオヨシノボリではないか?」と疑います。オオヨシはこの点が特徴ですが、これらはトウヨシノボリでも見られる特徴です。

今回、ルリヨシノボリはいなかったので、採集出来次第UPしますが、ルリヨシは頬にルリ色班が入るので、すぐ分かります。

その3・・・胴体および尾鰭周辺を見る
ここからは非常に微妙な世界に入るので、特に婚姻色がはっきりしないうちは怪しい基準です。
s-IMGP2400.jpg
この個体は、先ほどクロヨシではないかと疑った個体。尾鰭基部に“ハの字”模様が出ていると間違いないのですが、この個体はまったく出ておりません。ただ、体側中央にうっすらと不連続な黒線が入っていることと、体色が柄に乏しく非常に薄いことはクロヨシによく見られる特徴のようなので、クロヨシとしました。もっとも、体色が薄いのはトウヨシにもいるようなので、そこは頬の小斑点の有無と胸鰭の黒班の有無で分けるしかないですね。逆に婚姻色が出た雄は真っ黒になり、オオヨシと区別しにくくなるらしいのですが、こちらも上記基準で見分けます。
(その後、シマヒレヨシノボリだということになりました。)



最後に、オオヨシっぽい個体。s-IMGP2371.jpgこの写真だけ見ると、頬に小斑点がなさそうだし、胸鰭基部には黒班がきっちり出ているのでオオヨシっぽいのですが・・・s-IMGP2372.jpg左の写真のように、尾鰭に橙色が出ています。オオヨシとクロヨシの尾鰭は中央部が白というか透明っぽくなるか、あるいは鰭の淵以外の全体が暗色になるので、このような色味は入りません。したがって、オオヨシではないことにしました。最初に体型比較に使った写真の個体も、はっきりと黒班がでているものの、尾鰭で違うと分かります。




で、結局ほとんどがシマヒレヨシノボリかトウヨシノボリで落ち着きます。実際シマヒレ/トウヨシの数は著しく多いですしね。因みに、当方ではシマヒレだけ分けておりますが、トウヨシにも細かく型分けがあります。まず、名前の由来となった尾鰭の基部より中央に橙色班がある橙色型。ただし、この班も出ない個体があるようです(偽橙色型・一部のシマヒレヨシノボリ)。西日本に多いシマヒレヨシノボリは、他のトウヨシノボリが成魚になると、各鰭の縞模様が消失するのに対し、それが残る個体群です。で、上記の尾鰭の写真の個体もそうであるように、尾鰭下部に朱色班があるのが特徴のようです。基本的には頬に小斑点が無いのが普通らしいですが、琵琶湖由来の個体と九州西部の個体は頬に小斑点があるとのこと。岡山産はどちらもいます。

典型的なトウヨシs-IMGP2429.jpgs-IMGP2430.jpg・・・










最後の最後で現れた個体・・・

s-IMGP2403.jpg

ルリヨシか・・・?! と思いきや、チチブベビーでした(苦笑)


今後も採集調査をしていきますので、新たな発見などがありましたらこちらに記載していきます。


それにしても魚量が豊富なことで有名な岡山県の調査結果があまり無かったのは不思議だな。種類と微妙な個体が多すぎて学者もさじを投げてるのかな?


参考文献
『川と湖の魚②』 川那部浩哉・水野信彦 共著 保育社
『川魚完全飼育ガイド』 秋山信彦・上田雅一・北野忠 共著 マリン企画
『原色日本淡水魚類図鑑 全改訂新版』 宮地傳三郎・川那部浩哉・水野信彦 共著 保育社
参考ホームページ
『Freshwater Goby Museum』 http://www17.tok2.com/home2/tarogoby/index.html
『日本産汽水・淡水はぜ類図鑑』 http://homepage2.nifty.com/PhD-mukai/Laboratory/lab.html
『大阪府水生生物センター』 http://www.epcc.pref.osaka.jp/afr/fish/fish.html
『主な魚類の見分け方』 神奈川県環境科学センター http://www.k-erc.pref.kanagawa.jp/center/
その他投稿画像など
 

この方法では雌がいまいち分からないのと、若魚が分かりません。若魚も詳しく見れば分かるかもしれませんが、労力に見合った利益が無いのでほぼトウヨシ行きです。あと迷惑なのが黒点病。採集地にもよりますが、派手に黒点病になってる個体は仕分け不能です。因みにこの黒点病は、罹患してても魚を死に至らしめることは無いのですが、見栄えが著しく悪くなります。

その後、参考のため“オオヨシノボリ”と“ルリヨシノボリ”を購入して観察してみました。
 僕はまだ発見していないですが、オオヨシは岡山にも生息しているようで、岡山の個体の特徴なのかどうかは1匹では判断できないですが、尾柄が細く、カワヨシに近い体形でした。
ルリヨシは岡山にはいない可能性が高いそうなのですが、一応、親父殿は採集したことがあると言っています。ルリヨシの生息環境を考慮すると、岡山は県の1/3が干拓地であることから、十分な要件を満たす河川が存在しないようです。可能性としては河川陸封型の個体がいる可能性は無くも無いようですが、池には大体ブラックバスとブルーギルがいるので生存している可能性は低いそうです。ただ、いくつか人が簡単には入れない池も見つけているので、そういったところに可能性が若干あるんじゃないかと思ってます。

しかし、冒険する時間が無い・・・orz
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